ここ数年、旧車バイクの価格がものすごく高騰していますよね。僕がホークⅡを探していた頃と比べても、今はびっくりするくらい値段が上がっています。
「旧車バイクに憧れているけど、高すぎて手が出せない…」
「どうにかして少しでも安く買う方法はないの?」
そんな方に向けて、今回は旧車バイクを少しでも安く、そして後悔せずに買うための3つの方法を、僕自身の経験を交えながら紹介します。
僕がホークⅡを手に入れたときのリアルな体験談も交えつつ、現実的に「安く買う」ための考え方を解説していきます!
1. ショップでレストアされた車両を購入する
まず1つ目の方法は、信頼できるショップでレストア済みの旧車バイクを購入することです。
「え?それって安く買う方法じゃないのでは?」と思うかもしれませんが、ここがポイント。
一見高く見えても、結果的に一番お得な買い方なんです。
僕自身、ホークⅡを購入したときは今より相場が安い時期でしたが、それでも100万円+諸費用。
ただしその車両は、エンジン以外すべてレストア済みでした。
具体的には、キャブレター・フロントフォーク・足回りはオーバーホール済みで、消耗品類も新品に交換済み。納車前整備も入っていたため、「すぐに安心して乗り出せる」状態でした。
一方で、個人売買やオークションで安く買った場合のリスクも現実にあります。僕の旧車仲間の一人の話ですが、彼はあるホンダのCB系旧車をオークションで90万円で購入しました。購入当初は「お買い得だ!」と喜んでいましたが、その後が地獄だったといいます。
購入から5年で3回も修理に出し、主にエンジンの不調(マフラーからの白煙、始動不良、アイドリング不安定など)が続きました。修理費の合計はかなりの額に達し、友人は最終的に「もう一台同じバイクが買えるくらい」出費したと言っていました。さらに修理のために合計で約2年半も入院していた期間があり、その間は全く乗れなかったそうです。
この例が示すのは、「買った直後の価格」ではなく「買ってからかかる総費用」を見積もることの重要性です。レストア済みのショップ車は初期費用が高めでも、購入後のトラブルを大幅に減らしてくれますし、乗れない期間が短くなることの価値は大きいです。
まとめると、安さだけで飛びつくのではなく、「購入後にどれだけ安心して乗れるか」を重視することが、結果的に安くつくコツです。
2. 逆輸入車を購入する
2つ目の方法は、逆輸入車を狙うことです。
旧車の中には、当時海外向けに販売されたモデル(逆輸入車)が存在します。基本構造は国内仕様とほぼ同じでも、価格が抑えられていることがあります。
ただし仕様や装備が微妙に異なる部分があるため注意も必要です。
実は僕のホークⅡも逆輸入車です。価格は同年式の国内仕様より安く、状態も良好でした。ただ、国内仕様との違いも細かい部分であることに気づきます。違いを一部紹介します。
- メーターがマイル表示で、走行距離がキロメートルではない
- ヘッドライトやウインカーが常時点灯している(旧車バイクはヘッドライトのオンオフがある)
- スイッチボックスのボタンの仕様が国内仕様と異なる(上記の通りヘッドライトのオンオフができないためライトのスイッチがない)
- 外装が国内にはないカラー、模様である
僕の場合、燃料メーターがないので「ガソリンを入れてから何キロ走れるか」を把握して管理しています。ちなみにマイル表記のため最初は換算が面倒でしたが、すぐに慣れます。
また僕の逆輸入車は国内で新規登録された車体だったため、車検が3年ついていました。また、ホークⅡは国内外で共通の部品が多く、今のところ部品に困った経験はありません。
逆輸入車を選ぶ際は、仕様の違いを受け入れられるかどうかがポイントです。少しの違いを楽しめるなら、価格を抑えつつ良い個体を見つけるチャンスになります。
3. マイナーな車種を検討する
3つ目は、マイナー車種を検討することです。
旧車市場は需要と供給の関係で「人気=価格」という図式が働きます。Z系、CB系、CBXといった人気モデルは高額になりやすいですが、同時期のマイナー車種は比較的抑えめな価格で出ていることがあります。
僕はもともとホークⅡ以外をあまり検討していませんでしたが、購入後に旧車仲間から多くの車種を教えてもらいました。その中でも印象的だったのが、ホークⅡの兄弟車であるCM400T。外装に違いはありますが、エンジンは共通宇で価格はホークⅡより少し安めに設定されています。
ただしマイナー車種を選ぶ場合には以下のリスクがあります。
- 販売台数が元々少ないため、現存台数が少なく見つけにくい
- 純正部品やリプロパーツが少なく、修理時に苦労する可能性がある
- 整備に対応できるショップが限られることがある
重要なのは「値段だけで選ばない」ことです。もしそのマイナー車が本当に好きであれば、それは自分だけの一台になる素晴らしい選択です。しかし、安さを優先して妥協してしまうと、後で「やっぱり本当に好きな車種しておけばよかった」と後悔することもあります。
まとめ:安さだけじゃない、“納得できる一台”を見つけよう
旧車バイクの価格は年々上がっていますが、
探し方・選び方次第で、まだまだ手が届く一台に出会うことができます。
今回紹介した3つの方法を改めて振り返ると、
- 整備済みショップ車両を選ぶ
- 逆輸入車を検討する
- マイナー車種を視野に入れる
そして最も大切なのは、「安さだけで決めない」ことです。故障・修理費・維持費・乗れない期間などを含めたトータルコストを見積もれば、意外と整備済みのショップ車両が最もコスパが良いこともあります。
僕自身、ホークⅡを手に入れてからオイル交換やグリップ交換、磨きなどを少しずつ学び、整備の楽しさを知りました。初めてのオイル交換は友人に教わりながらでしたが、それでも自分でメンテした時の充実感は格別でした。クランクケースカバーを外してガスケット交換をしたときは、整備士さんの仕事の速さと正確さに心から敬意を抱きました。
旧車バイクは買ったら終わりではなく、買ってから育てる楽しさが始まります。価格が高いと感じるかもしれませんが、焦らず自分が納得できる一台を選んでください。この記事が、あなたの旧車探しのヒントになれば嬉しいです。

