旧車バイクで「バブ」という車種を聞いたことはありますか?
アニメ『東京リベンジャーズ』の影響で、「マイキーのバブ」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?ちなみにマイキーが乗っているバイクは「CB250Tホーク」です。
しかし実際に「バブ」を調べてみると、「CB250Tホーク」「CB400TホークⅡ」「CB250N」「CB400N」「スーパーホークⅢ」など、似た名前がたくさん出てきます。
そうすると「結局どれが“バブ”なの?」「TとかNって何が違うの?」と疑問に思う人も多いと思います。僕自身も最初は、マイキーの「CB250Tホーク」だけを“バブ”と呼ぶものだと思っていました。
そんな背景のなかで、自分自身が「CB400TホークⅡ」に乗り始めてからホークシリーズについて調べるようになり、それぞれの違いを知り「バブ」は1台の車種だけを指す言葉ではないということが分かりました。
この記事では、旧車バイクの中でも人気の「ホークシリーズ」について、「バブ」と呼ばれる理由や、T・N・スーパーホークⅢの違いを解説します。
ホークシリーズの購入を検討している方、ホークとバブの違いを知りたい方の参考になれば嬉しいです。
「バブ」って何? 呼び名の由来
「バブ」という俗称は、主にホーク系をまとめて呼ぶ言葉として旧車好きの間で広まったようです。
由来には諸説ありますが、有力なのは排気音から来ているという説です。当時ホークシリーズとしてラインナップしていた「CB400TホークⅡ」「CB250Tホーク」「CB400N」「CB250N」「スーパーホークⅢ」「スーパーホーク」と共通して排気音が「バブー」と聞こえるからといわれています。
最近ではアニメ『東京リベンジャーズ』のマイキーが乗っているCB250Tホークが「バブ」として登場し、若い世代の間でも再び注目されるようになりました。
ホークシリーズの概要
ホークシリーズは1977年(昭和52年)5月に、CB400FOUR(ヨンフォア)の後継車として「CB400T HAWKⅡ(ホークⅡ)」が中型バイクなら4気筒より、「2気筒」の方が速いという理由で4ストローク2気筒エンジン搭載の中型スポーツモデルとしてデビューしました。
このホークⅡは発売当時、「ヤカンタンク」と呼ばれた丸形のタンクや「座布団」と呼ばれた分厚いシートなど、カフェレーサースタイルなヨンフォアのデザインと比較すると野暮ったいスタイルで決してカッコイイバイクとは言えなかったようです。
しかし実際は幅広い年代の方にヒットし、教習者にも採用されるほど扱いやすく、性能面も優秀なバイクでした。その後に同じフレームを使用し、エンジンだけボアダウンさせた「CB250Tホーク」やその派生モデルとしてNシリーズやスーパーホークが続々とデビューしていきます。
モデル別紹介
CB400T HAWKⅡ(ホークⅡ)

主な特徴:初期型は「やかんタンク」や「座布団シート」などと呼ばれた。
- 発売日:1977年(昭和52年)5月25日
- 生産計画:月産6,000台(輸出を含む)
- 新車価格:319,000円
- 排気量:395cc
- ミッション:5速
- 最高出力(PS/rpm):40/9,500
- 車体サイズ(㎜):2150(全長)/840(全幅)/1180(全高)
- 車両重量(㎏):181
CB400N ホークⅢ

主な特徴:6速ミッションになり、前後ダブルディスクブレーキを装備。外装もCB750Fのようなヨーロピアンな雰囲気になる。
- 発売日:1978年(昭和53年)8月24日
- 生産計画:月産3,000台(輸出を含む)
- 新車価格:349,000円
- 排気量:395cc
- ミッション:6速
- 最高出力(PS/rpm):40/9,500
- 車体サイズ(㎜):2115(全長)/740(全幅)/1105(全高)
- 車両重量(㎏):171(乾燥時)
CB250T HAWK(ホーク)

主な特徴:初期型のタンクのデザインは「ラッパライン」と呼ばれ、ホーク2のデザインにはなかった。また初期型のみタイヤがスポークホイールを使用していた。
- 発売日:1977年(昭和52年)7月5日
- 生産計画:月産3,300台(輸出を含む)
- 新車価格:299,000円
- 排気量:249cc
- ミッション:5速
- 最高出力(PS/rpm):26/10,000
- 車体サイズ(㎜):2135(全長)/840(全幅)/1170(全高)
- 車両重量(㎏):178
CB250N

主な特徴:6速ミッション、前後ダブルディスクブレーキ、外装等はCB400Nと同様な変更点だが、CB250Nにはアップハンドルとセミフラットハンドルの2種類が用意された。
- 発売日:1979年(昭和54年)7月21日
- 生産計画:月産21,000台(輸出を含む)
- 新車価格:339,000円
- 排気量:249cc
- ミッション:6速
- 最高出力(PS/rpm):26/10,000
- 車体サイズ(㎜):2100(全長)/820(全幅)/1115(全高)※セミフラットハンドルの場合
- 車両重量(㎏):172(乾燥時)
スーパーホークⅢ

主な特徴:前輪2枚、後輪1枚のマルチホール・トリプルディスクブレーキを装備。コムスターホイールはオールアルミ製。チューブレスタイヤ採用。キック式のエンジン始動廃止。
- 発売日:1980(昭和55年)年8月1日
- 生産計画:月産1,000台(輸出を含む)
- 新車価格:398,000円
- 排気量:395cc
- ミッション:6速
- 最高出力(PS/rpm):40/9,500
- 車体サイズ(㎜):2115(全長)/740(全幅)/1090(全高)
- 車両重量(㎏):173(乾燥時)
スーパーホーク

主な特徴:このクラス初の前輪2枚、後輪1枚のマルチホール・トリプルディスクを採用。
- 発売日:1980(昭和55年)年9月6日
- 生産計画:月産800台(輸出を含む)
- 新車価格:368,000円
- 排気量:249cc
- ミッション:6速
- 最高出力(PS/rpm):40/9,500
- 車体サイズ(㎜):2100(全長)/760(全幅)/1085(全高)
- 車両重量(㎏):173(乾燥時)
各モデル比較表
| モデル | 発売年 | 排気量 | ミッション | 新車価格 | 中古相場 |
|---|---|---|---|---|---|
| CB400T ホークⅡ | 1977年5月 | 395 cc | 5速 | 31.9万円 | 161万円 |
| CB400N | 1978年8月 | 395 cc | 6速 | 34.9万円 | 112万円 |
| CB250T ホーク | 1977年7月 | 249 cc | 5速 | 29.9万円 | 159万円 |
| CB250N | 1979年7月 | 249 cc | 6速 | 33.9万円 | 116万円 |
| スーパー ホークⅢ | 1980年8月 | 395 cc | 6速 | 39.8万円 | 197万円 |
| スーパー ホーク | 1980年9月 | 249 cc | 6速 | 36.8万円 | 206万円 |
※中古相場は2025年11月現在の当サイト調べによるもので車体価格のみです。また中古車についてはレストア済みの整備車両から現状販売車も含むため参考程度にしてください。
同じエンジンの兄弟車が存在する
ホークシリーズには、「CM400T」という兄弟車が存在します。1979年8月に販売されました。

ホークⅡをベースにエンジンは共通で、違いはアップハンドル、涙滴型タンク、段付シート、メータ周りなどが代表です。
前方にステップが位置していて、リヤタイヤには16インチの極太タイヤを装着しているためアメリカンスタイルがこのバイクの特徴です。
同じエンツンを使用しているためエンジン関連の部品は共通しているものも多く、旧車としては比較的維持しやすい車種になると思います。
中古市場価格はホークⅡと比べると安く設定されていることが多いため、ホーク系の車両を探していく方はおすすめの車種になります。またあえてCM400Tを購入して、ホークⅡに改造していくオーナーさんも多いようです。
ただし外装等は仕様が若干違いがあるため、CM400TにホークⅡの外装を乗せる場合には加工が必要になるため注意が必要です。
まとめ:「バブ」はホークシリーズをまとめて呼ぶ
今回は、ホンダのホークシリーズと「バブ」と呼ばれる由来、そしてT・N・スーパーホークⅢの違いについて紹介しました。
- 「バブ」はCB400T・CB400N・CB250T・CB250N・スーパーホークⅢをまとめて指す俗称
- ホークシリーズはモデルごとに外観・装備が異なる
- CM400Tは同じエンジンを使ったアメリカンスタイルの兄弟車
- シリーズ共通部品が多く、維持・修理の面でも有利
同じエンジンを搭載していても、外装の違いや乗車のポジションが変わることでまったく別の魅力を持つのがホークシリーズの面白さです。
そしてシリーズ展開が豊富なのことも、ホークシリーズの魅力のひとつです。
ホークシリーズをきっかけに旧車の世界に興味を持った方は、ぜひ実車を見てその魅力を体感してみてください。
※この記事内の画像はHonda公式サイトより引用しています。出典は各画像下に記載。
