旧車バイク、かっこいいですよね。
空冷エンジンの音やキャブ車ならではの独特なフィーリング。そして何より、現行バイクにはないあのクラシックで武骨な見た目。思わず見とれてしまうような存在感があります。
そんな旧車バイクを見て、「いつかは自分も乗ってみたい」と思った方も多いのではないでしょうか。ですが、いざ調べてみると「旧車バイク 後悔」「旧車バイク やめておけ」なんてネガティブな言葉ばかりが目に入って、不安になりますよね。
僕自身もホーク2を購入する前は、同じように悩みました。
「整備の知識も経験もない自分が、本当に旧車を維持できるのだろうか…」
そう思っていた時期もあります。
それでも「憧れのホーク2に乗りたい!」という気持ちが勝ちました。旧車バイクを所有している友人に相談し、たくさん調べて勉強を重ねた結果、僕はホーク2を納車しました。
この記事では、僕の経験をもとに「後悔しない旧車バイク購入時の5つの注意点」を紹介します。これから旧車バイクを買いたい方、整備の知識がなくても安心して楽しみたい方にとって、参考になる内容になっています。
① 迷ったら絶対に買ったほうがいい!
いきなり矛盾しているようですが、僕が一番伝えたいのはこれです。
「後悔しないために」というテーマで書いておきながら、「迷ったら買え」と言うのもおかしいかもしれません。
でもこれは本心です。
なぜなら、旧車バイクとの出会いは一期一会だからです。
当たり前のことですが、旧車はもう生産されていません。つまり市場に出ている台数は限られています。その中で、自分の理想とするコンディション・カラー・年式のバイクに出会えるのは、まさに奇跡です。
そしてあなたが「このバイクいいな」と思ったその瞬間、他の誰かも同じように狙っている可能性が高いです。旧車は人気車種ほどすぐ売れてしまいます。特にZ系、CBシリーズはタイミングを逃すと本当に出会えません。
僕がホーク2を購入したときも、実は他に数人の購入希望者がいたそうです。もしあと1日でも決断が遅れていたら、きっと今の相棒には出会えていなかったと思います。
もちろん「即決しろ」という意味ではありません。でも、「心が動いた瞬間に行動する勇気」は、旧車バイクを手に入れる上でとても大切です。あの時買っておけばよかった…と後悔しないように、出会いを逃さないようにしましょう。
② 信頼できるショップで購入をする
旧車バイク選びで最も大切なのは、どこで買うかです。これは本当に重要です。
ネットで検索すれば、旧車バイクを扱うショップや個人売買、オークションサイトなど、いろいろな選択肢が出てきます。しかし、僕が強くおすすめするのは信頼できるショップで購入することです。
まずは気になるショップを探して、実際に訪れてみてください。整備士さんと話してみると、その人の「バイク愛」や「整備に対する姿勢」が見えてきます。その熱意が感じられるショップなら、購入後も安心してメンテナンスを任せられます。
個人売買やオークションの落とし穴
確かに、個人売買やオークションサイトを使えば、同じ車種でもショップより安く買えることがあります。ですが、その車体は本当にきちんと整備されていたのか?、故障したらどこに持っていくのか?ここを考えておかないと、後で痛い目を見ます。
僕の友人の話ですが、彼は個人売買で安くCB系の旧車を購入しました。最初は「お得に買えた!」と喜んでいたものの、納車後に不調が続き、何度も修理に出す羽目に…。結局、合計の修理費がショップの販売価格を大きく上回ってしまいました。
結果的に、「最初から整備された車体をショップで買ったほうが安かった」と言っていました。安さだけで飛びつくのは危険です。信頼できるショップから購入することで、結果的にトータルコストを抑えられる場合も多いのです。
③ 維持費・修理費について想定しておく
旧車を所有する上で避けて通れないのが、「維持費・修理費」です。ここを現実的に見積もっておかないと、後で後悔することになります。
整備知識がない場合は、基本的にお金を出してプロに任せるしかありません。旧車は何十年も前の機械です。いくら丁寧に整備されていても、経年劣化は避けられません。現行バイクに比べると故障の頻度も高く、定期的なオイル交換やキャブ調整など、手間と費用がかかります。
実際に起きた不調と維持費のリアル
僕のホーク2は、納車後しばらくしてエンジンヘッドからオイルにじみが発生しました。幸いにも修理は比較的簡単に済み、費用も小さく済みました。旧車ではよくある症状とのことでしたが、こうした小さなトラブルが積み重なるのが旧車ライフの現実です。
ただし、ショップで購入した車体であれば、納車前にしっかり整備されています。僕のホーク2も、エンジン以外の部分はオーバーホール済みで、消耗品も交換されていました。このような「レストア済み」車両を選ぶことで、維持費をある程度抑えることができます。
目安として、旧車バイクの維持費は年間で10〜20万円程度。学生さんや20代の方には少しハードルが高いかもしれませんが、整備済みのショップ車体を選べば、もう少し安く済むこともあります。
④ 不具合を想定しておく
旧車に乗るということは、「不具合と付き合っていく覚悟」が必要です。キャブ車特有の始動性の悪さや、電装系トラブル、オイル漏れ…。これは旧車乗りなら誰もが通る道です。
特に注意したいのは、部品が手に入らないケースがあることです。Z系やCB系の人気車種だと部品もあったりしますが、中には国内に部品がないため海外からパーツを探すことのあるそうです。
今はリプロパーツ(復刻部品)が出ている車種も増えて昔よりは維持がしやすくなったそうですが、やはりすべての車種ではありません。在庫がなかったり、納期が数ヶ月かかることもあります。そのため修理に出しても、長期入院になることも珍しくありません。
日常の足には向かない理由
旧車バイクは、残念ながら「日常の足」には向いていません。通勤や通学など、毎日乗る用途で考えている方は要注意です。雨の日や寒い時期にはエンジンがかからないこともあり、トラブルが起きたら即修理…なんてこともあります。
僕自身、ツーリング中にキャブの調子が悪くなり、エンジンが止まった経験もあります。そんな時でも「まあ旧車だから仕方ないか」と思える人でないと、長く乗るのは難しいかもしれません。旧車は“相棒”という感覚で向き合うのが一番です。
⑤ 保管場所の確保と盗難対策
最後に忘れてはいけないのが、保管環境と盗難対策です。
旧車バイクは、湿気や日差しに弱く、錆びやすいです。屋外で雨ざらしにしておくと、あっという間に劣化が進みます。理想は屋内保管。難しい場合でも、バイクカバー+屋根付きスペースを確保しましょう。
貸しガレージの活用がおすすめ
僕自身は貸しガレージ(月額制)を利用しています。費用は地域によりますが、月1万円前後で借りられるところが多いです。防犯カメラが付いている場所もあり、盗難リスクもかなり下がります。バイクを大切に保管するためには、こうした環境への投資も大事です。
また、U字ロック・チェーンロック・アラームなど、複数の盗難対策を組み合わせるのも効果的です。自宅に防犯カメラを設置する友人もいます。旧車は人気車種が多く、狙われやすい傾向があります。「自分の身は自分で守る」意識で対策をしておきましょう。また万が一のために盗難保険の加入も併せて検討しておくといいと思います。
まとめ:後悔しない旧車バイクライフを楽しもう!
ここまで「後悔しない旧車バイク購入時の5つの注意点」を紹介しました。
- 迷ったら買う勇気を持つ
- 信頼できるショップで買う
- 維持費を現実的に見積もる
- 不具合を想定しておく
- 保管と盗難対策を忘れない
僕自身、整備知識ゼロでホーク2を手に入れましたが、少しずつ学んでいく中で「オイル交換」「グリップ交換」「相棒の磨き」など、自分でできることが増えていきました。それもまた、旧車バイクの楽しみ方の一つです。
この記事の目的は、「整備経験がなくても旧車に乗りたい」という人の背中を押すことです。確かに手間もお金もかかります。でもその分、現行車では味わえない“乗る喜び”と“愛着”があります。
憧れの旧車を前に悩んでいるあなたへ。ぜひ勇気を出して、人生の相棒に出会ってください。後悔しない旧車ライフが、きっと待っています。
